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道東越冬隊の記録
ナチュラル・アウトドアライフ」5.極楽温泉ライフ(2)今夜の温泉どこにする?
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夕暮れどきに、その日最後の撮影を終えると、お楽しみの温泉タイム。オレンジ色の空のなかで、ハクチョウの姿を追いかけながら、ふたりの考えていることは・・・。
「今日はどこの温泉に行こうかな?」

長く滞在する弟子屈町には、前回紹介した川湯の共同浴場のほかにも、何度もお世話になる浴場がいくつかあります。場所はそう離れていないのに、それぞれに泉質が違います。その日の気分で入り分けていました。

どこも「公衆浴場」なのがポイント。ホテルや旅館の大浴場の様に、水圧の高いシャワーやドライヤーなどはなく、設備も簡素だけれど、150〜300円程度と、とにかく安い!長く滞在していると、とても助かります。

夏などは旅行者の利用も多いのでしょうが、さすがに真冬はあまりいないようです。一緒になるのはたいてい、地元のおばちゃん、おばあちゃん。「来てたんかいな」「あら、久しぶり」なんていう挨拶をよく聞きます。みんな元気です。今日は昼からゲートボールをしに町の屋内コートに行ったとか、今年の雪は多くて何度除雪してもきりがないとか、そんな話がはずんでいます。

そうかと思えば、ひとりでごしごしとていねいに体をこすっている人、「のぼせへんのかな?」と見ていて心配になるほど長く湯船につかっている人もいます。それぞれに気持ちの良いくつろぎ方がある、そんな感じです。

地元の人たちの、旅行者らしき入浴客への対応は慣れたものです。こちらが知らんぷりをしていると彼女たちも無関心でいますが、軽く挨拶をすると応えてくれます。親しげに笑顔で挨拶すると、「どこから来たの?」などと声をかけてきてくれたりもします。夫は浴場で出会う地元の人から、ハクチョウのいる場所を聞いたり、別の浴場の情報を仕入れたりしているようです。

私も公衆浴場ライフに慣れてくると、自然と挨拶ができるようになりました。その時だけのおつきあいですが、住んでいる環境も、世代も違う人たちとの会話は、新鮮でとてもおもしろいのです(たまに長話につきあっていて上がることができなくなり、のぼせてしまうこともあるんですけどね)。

いい出会いがあって、話が盛り上がって、わははと声に出して笑うことも、リラックスのひとつかもしれません。

温泉に入って日頃の疲れを癒す。一泊二日の豪華温泉ツアーも魅力的ですが、本当は、こうして長い期間、毎日温泉でくつろぐ、なんていうのが実は一番の贅沢なのかも。
「うちら、1ヶ月湯治に来てるようなもんだよ、こりゃ贅沢だよなぁ」
という夫の言葉に、うん、うんとうなずいてしまいました。

では最後に「公衆温泉浴場を楽しむポイント」をご紹介します。

◆入口で料金を払う時には、「こんにちはぁ」「お世話になりま〜す」とひと声かけておくと好印象。
◆石鹸、シャンプーなどは置いていないことが多いので、自分で用意。必要なものをカゴにまとめて「お風呂セット」を作れば、入ってから出るまでがとてもスマート(地元の人はみんな持っていました)。
◆浴場の先客には「こんにちは」、先に上がるときは「お先に、ごゆっくりどうぞ」と声をかけるといい感じ。
◆蛇口や鏡、湯おけ、腰かけの数が少ないところが多いので、手早く洗う。お湯につかるほうに時間をかけるべし。
◆湯船には長くつかってお湯の感じを楽しみたいもの。全身があたたまったら、腰から下だけつかってみたり。力を抜いてぽか〜んと浮いてみるのもリラックスできて、おすすめ。
◆湯船のお湯は熱いところが多いけれど・・・水で埋めるのはなるべくガマン(水は温泉ではないので、せっかくのいいお湯を薄めてしまうことになります)。慣れると熱いのも気持ちよくなってきますヨ。

(2000.12.30配信「FINE NEWS」掲載)