「ちょっとナチュラル」ホームへ | サイトマップへ(別窓) 
道東越冬隊の記録
「ナチュラル・アウトドアライフ」12.北海道の冬の休日 VS USJで過ごす休日
←11.木々が白く染まる朝 | 13.野生動物が教えてくれること→

北海道滞在中、私たちの暮らしには平日と休日の違いがありません。だから日にちと曜日の感覚がなくなってしまいます。そんな私に「今日は週末やで」と知らせてくれるのは、大勢の人のにぎわいと、道内あちこちのナンパープレートをつけた車。真冬の静かな田舎町も、土曜・日曜はほどよく賑わいます。

たとえば、食事をとって寝袋を干して露天風呂に入る私たちの「生活の場」・屈斜路湖畔の和琴半島。ここは平日は、時々近所のお年寄りが露天風呂に入りにくるぐらいで、本当に人のいない静かなところです。

それが週末は一転、どんどん車が入ってきて大にぎわい。デイキャンプを楽しむ家族連れ、クロスカントリースキーを積んできて湖面散歩を楽しむ夫婦、双眼鏡や一眼レフカメラを片手に遊歩道を歩くお年寄り、大型犬を散歩させる人などなど。

そんな週末のにぎわいを見ていると、北海道に住む人たちにとって、冬の休日を自然の中で過ごすことは珍しいことではないのだな、と思います。そういえば私、大阪の暮らしのなかの冬の休日って、どんな遊びをしているだろう?

えーと、心斎橋に買い物。梅田に買い物。郊外のアウトレットに買い物。友達と流行りの店に食べに行く、飲みに行く・・・。どれも「買う、食べる」ばかりのような気が。あとは、映画、コンサート・・・?

大阪近郊にも冬場に楽しめるアウトドアレジャーがないわけではありません。でも現地までの高速代や往復の車の渋滞、現地で必要な利用料や必要な装具などを考えると、なかなか気軽には始められないものです。

農業公園や植物園などもありますが、ここでも入場料などお金がバンバン出ていくばかり。それに大阪の冬はただただ寒いだけで、冬枯れの木々は見ていると寒々しい。「どうせ行くなら季節のいいときに行こか」となってしまいます。温泉を楽しむのにも時間(渋滞)と交通費が・・・。

それに比べて、道東の冬はほんとうに魅力的。木々や草花は眠っているけれど、その上を真っ白な雪が覆い、めずらしい鳥や動物たちを簡単に目にすることができて、視界を遮る建物は全くといっていいほどなくて・・・

おまけにすべてがほんとうの大自然。入場料を払って入るところではないのですよ。釣りなど料金の必要なところも、それほど高くはありません。道路も渋滞知らずで短時間に長い距離を移動できるといいます。”遠くても近い”自然の遊び場がいたるところにあるのです。

北海道に住む人たちはその中で上手に休日を楽しんでいると思います。スキーやスノーシュー、釣り道具やキャンプの道具は、きっと出し入れしやすいところにしまってあるんだろうなあ。思い立ったらすぐ出かけられるように。

自然に触れ、自然を学ぶというコンセプトの施設もあります。国立公園内にある「エコミュージアムセンター」がそれ。誰もが無料で利用できる施設で、近辺の自然について知ることができます。木や動物の名前を調べたり、関連書を読んだりできるほか、スノーシューやクロスカントリースキーの貸し出しなどもあります。夜の森の散策、氷上ハイキングなどの催しも楽しそう!

「北海道は、冬の自然がそのまんま遊び場になっていいですね」
エコミュージアムセンターのスタッフの方に、そう言ってみたことがあります。
返ってきたのはこんな答えでした。
「このへんは、それしかないんですよ」

それしかない。それしか。・・・その言葉に私は、ここに暮らす人と、滞在しているだけの者との感覚の違いを知ったのでした。

でもね、北海道の人たちが、氷点下の気温の中、地球に昔からあったその大きな自然の中で上手に遊んでいる姿は、とてもかっこいいと思うのです。

人の手によって整備された有料の自然公園では、地球の存在を身近に感じることはできません。大阪の街に買い物に出かけても、店にあふれる品物を見て、あれもほしい、これもほしいと物欲がわくばかり。絶対欲しいものなどないくせにね。北の大地の遊びに比べると、私のいつもの遊びはいまひとつ冴えない。

おりしも、大阪には「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」がオープンしたばかり。話題を集めています。我が家からそう遠くないので、一度は出かけてみようと思っていますが、そこで遊んで私はどんなことを感じるのだろう。行き帰りと園内の混雑、5500円の入場料、そして伝え聞く高額の飲食代を払って、果たして北海道で見た冬の休日よりもすごいと思える休日の遊びを、体験することができるのでしょうか。

(2001.4.7配信「FINE NEWS」掲載)